トゥールビヨン

私が「日本一のネットリ熱唱系」「日本一日本の夏に隣で歌って欲しくない」と呼んで憚らない男、河村隆一が、新しいユニットを結成、そのユニット名を発表した。その名も




トゥールビヨン




まあ、男性諸氏は知っている方が多い名称だろう。女性でも機械好きなんぞはご存知かもしれない。トゥールビヨンとは、腕時計の最高峰に位置する内部機構の名称で、その精密精緻さも素晴らしい事ながら、それまでの腕時計の機構への常識を根本から覆したともいえる、かなりのアクロバティックな構造をしている。



まあ、この辺は詳しく語るとキリがないのでやめておくが、要はスゴイ時計技術なのである。トゥールビヨンが載っている時計は1000万もするぐらいである、それぐらいスゴイのである。腕時計好きからすれば、トゥールビヨンという言葉の響きは、憧れそのものなのである。そういう、言葉なのである。




というわけで、河村隆一氏がどういう意図をもってこのユニット名をつけたのかは知らないが、例えばブランド好きの女性にとって




ケリーバッグ




というユニット名が突如日本に登場したぐらいの衝撃だし、大人の科学マニアにとっては





「カラクリ人形弓曳童子




というユニット名が登場したようなもんだし、天体マニアにとっては





すばる望遠鏡





というようなユニット名が登場したようなものだし、って段々訳がわからなくなってきたのでやめておくが、要は、ネットリ、いや河村氏の新しいユニット名は





「..........................................。っていうか...............プッ」





という反応しかでないものなのである。だってほら





「新しいユニット名を発表します。『ナノテクノロジー』です」





とか言われたら退くっしょ?



いや、石野卓球とかならいいけど、でもあれはそもそも色んなものをギャグにすることに存在価値がある人な訳だし、少なくとも「あるいみいわゆるカッチョイイ系」を目指している可能性が無きにしも非ずっていうかそうだよね、っていうかそういうポジションだよね、そうは思えないけど世間的位置付けはそれで行きたいんだよね、っていう人がつけるユニット名にしては、脱力系過ぎる。





いや、正直言おう。






寒い。







で、なんでこんなことをこんなにぐちぐち書いているかというと、今後腕時計マニアとかが「トゥールビヨン」で検索をかけようとすると、本来調べたい時計の話よりも先に「河村隆一ユニット」のネタのほうが上に沢山きてしまって、発狂するんだろうな、可哀相にと思っただけだからである。



ホントに、そういう検索エンジンに影響を与えるような迷惑な固有名詞を命名するのは止めていただきたい、と日本のカタスミから切に願うのである。




最後に、日本全国の河村隆一ファンに忠告しておこう。「トゥール」ビヨンである。「トゥルー」ビヨンではない。そこんとこよろしく。まちがえないでね。