震度7体験

行ってまいりました、本所防災館


震度7」「消火器使用」「暴風雨」「暗闇で煙にまかれた建物から脱出」の4つで、それにプラス3Dシアターの鑑賞がついたコース。



最初は3Dシアターなのだが、コレ、正直怖い。まず、シアターにディズニーランドのスターツアーズののような設備がついていて、画面で地震が来ていると椅子も「ゴゴゴゴゴゴゴ」ってゆれるもんで、臨場感たっぷり。


しかも、ビルの上からガラスが降ってきたり、火花散ってきたり、看板倒れてきたり、そんなものが全て3Dで見られるので怖いことこの上ない。映像と判っていてもドキドキしてしまう私は、結構画面で振ってくるのガラスをよけようと体を引いたり、振ってくる看板から逃げようと手で体を防御したり、バーチャルとわかっていても結構暴れた。...........ええ、バカですよ、そのとおりです。でも何か怖いからしょうがない。


と、純粋に地震の恐怖について映像から学びつつも、実は頭半分「結構逃げ惑う人とかちゃんと撮ってるよなあ......エキストラ何人用意したんだろ、金かかってるなあ」「下町のシーンはセットかなあ」などと、余計なことを考えていたり。


なんせ全体的にファッションが古いというか、映像が古いのが実感できる訳で「コレいつごろ作った奴なんだろうなあ」などということも含め、かなり突っ込みどころ満載。でも一番受けたのは、オフィスで被災しているシーンで、パソコンの画面が





黒背景に緑文字




だったことだろうか。やっぱり本当に、地震震度システムもそういうシステムなんじゃないかという気が急速にしてくる。


突っ込みどころという意味では、登場するおばあちゃんが位牌を手に持って一生懸命逃げるシーンがあって、非常にその手に持った位牌が避難に邪魔そうに見える。映像だと。で、ついつい「おばあちゃん、とりあえず位牌は懐か袂か割烹着のポケットにでも入れて、両手空けて逃げないとあぶないよ!」とやきもきしてしまうわけなのだが、多分自分がそういう状況になったら、凄い大事なものは手にしっかり持ってしまうんだろうなあ、としみじみ考えた。


まあ、とりあえず映像を見るだけでも十分価値あり。「災害が起きた時、どんなポイントで人間はパニックになったり恐怖を感じたりするのか」というのが非常によく感じとれる内容。アレを日本国民全員が見たら、かなり大地震が来ても皆それなりに冷静に対処できるような気がするんだけどな。ぜひ見るべきだ、マジで。




で、シアターのあとは地震体験。



私達のグループは大きなお友達集団だったので(笑)、全員震度7を体感させてもらったわけだが、はっきり言っておきましょう、震度7







吹っ飛ぶ







という感覚が近い。日常、あれが突然来たら、思考停止頭真っ白になるのは確実。地震体感部屋に入って「来るぞ、来るぞ」と思いながら待ち構える状況でも、ドカンと最大の揺れが来た時の脳内は「◎*#$%&×+###**+*〜〜!!!!!!!」以外のなにものでもなく、




ととととととりあえずこのざぶとんであたまをほごしてつくえのしたにもぐってとか言っても揺れがすごくてつくえがどんどんもってかれるしつくえがとばされないようにあしをつかんでってこっちのあしをつかむととなりにいるひとがつくえのしたにもぐれないからてをどかさないとっていうかまじですごいゆれなんですけどなんなのこれもう






ボゴン  <茶箪笥崩落音





ぬうおおおおおおおおおお!!!!!!!!





と、揺れがだんだん収まってきて、ようやくコンロの火とかガスの元栓とか湯沸かし器のスイッチとか切らなくちゃとかを行動に起こせるような状況なわけで。いやすごい。震度7は、この間の東京であった地震の2倍ぐらい揺れるとか、知識ではわかっていても体がわからない訳で「本当に体が動かない位の凄い揺れ」なんだと、まさに実感。


しかし、これも知ってて地震を迎えるのと、知らないで初回一発目本番なのとだと、もうパニック具合が違うよなあと。体感部屋で「来るぞ来るぞ」と思いながら体験してこの怖さなので、前振りなく(当たり前)きたら、本当にただただ怖いとしか言いようがない訳で。


あと、地震って揺れてるのって大体1分ぐらいらしく、火がついていても燃え移りには限度がある訳で、揺れが落ち着いてから消火にかかっても間に合うのだそうだ。だから、揺れている間はとにかく自分の身の安全を考えたほうがいいらしい。でも、1分てやっぱり凄く長く感じるし、その間にもの凄くいろんなことを暴走気味に脳は考えてしまうのだなあ、ということも気付いた次第。あまりの恐怖に、むしろ脳みそがクロックアップしている感じというか。ぎゅんぎゅん余計なことを考える。


いやもう、ほんとすごい。



で、地震の後は消火体験。


消火器の持ち方とか使い方とかを実際にやるわけだが、冷静に考えると消火器って凄い存在。人の命が懸かっているような重要な道具なのに、まず「使い方を練習・体験」することがないんだからね。


使う時は「常に本番」しかも大抵「初めて」な上に「失敗が許されない」状況で、さらには「かなりの極限状態で心理的に焦っている」ことが殆ど。かなり究極の状況だ。
ソラでいえるぐらい頭にも体にも叩き込んだような動作であっても、ミスはするというのに、失敗が許されない状況で「生まれて初めてのことをする」っていうのは、結構考えただけでぞっとする。自転車とか水泳レベルで体に叩き込んでおかないとやばいような気がする。


電車の中で突然ガラの悪い女子高生に取り囲まれて、「メールの早打ち対決に勝利しないと.......わかってるんだろうね?」と絡まれたが、自分の手にあるケータイは実は今日買ったばっかりのものでしかもまだ説明書は読んでいない、とか、そういう状況に近い。


そう、やるかやられるかの状況で、おろおろしている場合ではない。瞬発力並みの反応で消火活動に当たる必要がある。だって実際、これを読んでいる方で「消火器の使い方をこの場ですぐ述べなさい」って突然聞かれて即答できる人って、実はそんなに多くないんじゃない?




そして次は、暴風雨体験。

これはあれ。台風中継なんかで、レインコートを着たレポーターが「御前崎からの中継です」などと風と雨にまみれながらしゃべってる、あれの体験を出来る。最大瞬間風速30Mとかそういうやつ。


これ、風については東京のビル風が突発的に30Mクラスになることがあるので、「そんなやばいぐらいに凄い」という訳ではないのだが、雨はやばい。目を開けていられないというか。つくづく台風の時は外に出てはいかんと心に深く刻み込む。ほんとやめようねほんとに。




最後に、煙体験。
これは、煙が充満し、しかも電気が消えて真っ暗な建物の中を非常口を求めてさまよう体験。ちなみに一瞬迷子になりかけた(笑)。真っ暗だと結構そうなりがちのような気がしたし、実際の火事なんかは暗くなっちゃうんだよね。やはり、普段からの非常口経路確保の確認は重要。とっさのときにどこに行けばいいかわからないって絶対焦る。


にしても、部屋に充満していた煙は妙に甘ったるいにおいでしたが、あれは何なんだろうか(笑)。

しかし、大きな建物だと必ず防火シャッターがついていて、ともすれば「防火シャッターが閉じる前に逃げないと閉じ込められる」という発想をしがちだが、閉じ込められるということは無い。ともすれば避難中に、数十メートル先でシャッターが落ちようとしているのを目にするとパニックになりがちだが、そういうことの無いように.....シャッターはあくまで人煙を止めるためのもので、非常口と言うのは必ず確保されているので....。





にしても、ツアーの案内役をやってくれたおじさんが元消防隊員で「自分も今度こそやばいと思うような体験を何回かしました」という台詞を聞くと、ああ本当に災害って怖いなあと、そして改めて「備えあれば憂いなし」という言葉を実感。


自分の身を守る、というのももちろんのこと、人に迷惑をかけないための備え、というのもある。パニックになって、逃げる時に人を押してしまうとか、そういう単純なところから始まって「無知ゆえの罪」を起こし、それが強いては次の被害を生み出すこともある訳で。


そのためにも、本所防災館、本当にお薦め。生き残る為に、周囲を守るために、そしてネタの為に(笑)、是非是非訪問を〜。




ちなみに、体験に夢中で写真撮影は忘却(笑)。一枚もなし....