どんな死に方が嫌か

残業しているもの同士、何のきっかけかわからないが「どんな死に方が嫌か」という話になった。のこぎりで首を切られるのは嫌だとか、サメに引きちぎられるのは嫌だとか、「傷跡ギザギザ系」は人気が無いらしい。私もいやだけど。あとは、窒息系も人気が無かった。生き埋めとか、そういうやつ。ああ、嫌だ。こう、考えてくるだけで首の辺りをかきむしりたくなってくる心境にかられる。

そういう話をしている中、私が黙っていたので(単に回りの発言に想像を膨らませて勝手にドキドキしていただけなのだが)「こへだはどんなのがいやなの」と名指しされた。

「有名な死に方が嫌ですねえ」
「は?なにそれ」
「いや、ニュースになっちゃうようなやつ」
「なんで」
「だって、どう考えても今のこの年で事件的な死に方したら、まちがいなく
 『美人OL殺人事件』とか書かれるんですよ見出しに!そんな事されたら
 絶対私を知っている人は『プッ.....美人だってさ』って笑うに決まってるじゃないですか!!!」

ああ、考えるだけでも嫌だ。
死んでから嘲笑されるその状態。
しかも自分で何かやったわけではなく、勝手にマスコミが間投詞のように「美人」と呼ぶんだぜ?

しかも、その上記事に掲載された私の写真を見て、
「この顔で美人OLはねえだろうよ」
と、そりゃあたくさんの方が言うわけだ。

しかも私は救いのネタに非常に欠けている。「美人OL」と称されている私を知り合いが発見した時、
「ああ、確かにメガネ取れば美人だったかもな」
「確かに10kgやせれば美人だったかも」
などといったフォローが効かない。
私は今時裸眼で左右視力が1.5を超えるし、今の状況で10kgやせたらむしろ「こへだは二度死ぬ」状態に陥る。

「この顔で美人OLはねえだろうよ」
そりゃ事実なんだけど、死んだ後言われるのはいくらなんでも嫌なわけだ。
死んだ後ならわからないんだろうが、いやしかし、死ぬ前の自分が嫌なんだからしょうがない。


まあ、とにかく「美人はやめてくれ」。