殺人雑誌

わたしの敬愛する劇作家が書く超絶抱腹絶倒のエッセーの中に「月刊アスキー」は危険であるという話が出てくる。あの、分厚いパソコン雑誌ね。別にインターネットマガジンでも同じようなものだが、まあそこでの例は月刊アスキーだった。

で、彼は愛犬の上に落としてみて叫び声を上げられた挙句に、恨みがましい目で見られたとかいている。そりゃ当たり前だろと突っ込んだが、確かにあの手の重いパソコン雑誌は危険だ。というより「最も家の近くの本屋で買いたい雑誌ベスト10」とかやったら、確実にランクインするんじゃないかという重さと大きさを誇っていると思う。アレをもって長距離歩きたくないもんだ。

ちなみに最も家から離れた所で買いたいのは恥ずかしい雑誌ね。近所のコンビニでビックコミックと、スピリッツを毎週買うのは恥ずかしくないが、どうにもこうにもあの店で女性ファッション雑誌は買いにくい。「おまえいつも汚い格好の癖にそんなん読むのかよ」と店員に思われるかと思うと身悶えそうだ(そんなの見ちゃいないんだけど実際は)。

それはさておき。その、危ない雑誌の話を友人としていた所、彼は言ったのだった。「俺が一番近所で買いたい雑誌はゼクシイだね」。(ああ、そうだった、彼は新婚なのだった)..........た、たしかにあの雑誌は重い。電話帳か住宅情報誌かゼクシイかというぐらい重い。

もはやあの重さは、ゼクシイを床において男女横に並んでくっつきながら(字が小さいからくっつかないと読めない)
「ねぇ〜、ド レ ス、こっちもいいとおもわなぁ〜い?」
「おまえなら何でも似合うよ♪」
「やぁ〜だぁ〜」
きゃ☆
とかやる為のツールとしか思えないぐらい重い。それ以外に読む方法を思いつかないぐらい重い。手に持って読んでいたら確実に肩がこる。ふとした拍子にゼクシイをフローリングに落とそうものなら
「ちょっと!床傷つけないでよね!敷金帰ってこなくなるでしょ!」
「.......ご、ごめん」
「ごめんじゃないわよ!あ〜もう、やだこれ、すごく目立つじゃない!」
と、険悪になることなど簡単なぐらい重い。

で、思った。


マリッジブルーのもつれによりゼクシイで殴打して相手を殺してしまい破談。』


やだなあ。