ニワトリ系食事

久しぶりにモスバーガーに行きたくなって、五反田駅前のモスバーガーに入った。菜摘海老カツというものがあり、それを頼む。写真を見るに、あふれんばかりにレタスが入っているバーガーなのかと思いきや、もっとすごい物だった。パンが無い。パンの代わりに、5重にも6重にも重ねてあるレタスで、海老カツと千切りキャベツを挟んでいるのだ。すごいこの発想........恐るべしモスバーガー、と思いつつ食べる。菜摘海老カツに、サラダのセットをつけたがためにやけに生野菜だらけのランチになる。健康的だ。


が、事件は起こった。


サラダを食べている時に突然、口の中で「ジャリ」という音と感触が。あれだ、砂が入りっぱなしの貝類を食べてしまい「ジャリ、ううぇ....」という感じの、まさに「ジャリ」感である。

しかし、その「ジャリ」は一回では終わらなかった。咀嚼する度に、口の中の方々で「ジャリ」「ジャリ」と歯ごたえとともにジャリ感が発生するのだ。一体私は何を食べているんだ、と思って口の中を探ってみるとなんと、1cm×1.2cm位のガラスの破片が出てきた。うげええええ、ガラス食ってたんか私!!そして、取り出した破片は比較的大きかったから取り出せたものの、「ジャリ感」ともに咀嚼してしまった物に関しては、細かくなりすぎてもはや取り出すのはムリだった。


と、ここで我ながら謎なのが「吐き出そう」という発想が全く無かった事である。どんだけ食い意地張ってるんだか一体.....。唯一考えたのが、「この状態で無理やり水などを使って飲み込むと、破片で食道や胃を傷めるかもしれないから」という発想の下に、「よし、内臓に害が無い程度まで細かくすればいいんだ!」という結論に達した私は、生野菜とともにガラス片を「ジャリジャリジャリジャリジャリジャリジャリジャリジャリジャリ.......」と噛み砕き続けたのであった。ここまで物を噛み続けたのって「ご飯を100回以上噛んでいると甘くなる」というネタを実証するために黙々と咀嚼し続けた小学校以来かもしれないと思った。

さて、そうやってまるで「消化を助けるために砂を飲み込むニワトリ」のように「胃へ石英を送り込んだ私」状態が落ち着いたところで、ふと私は不安になった。「わたしの食べちゃったこのガラス、もし水銀とか、いわゆる毒物が関係していて、食べちゃいけないものだったらどうしよう.......」

そもそも食うなよ、それ異物混入だろ、という発想はそのとき全く無かった。とにかく、知らないものを口に入れた小学生があとで不安になっているのと同じ状態である。

と、店員が通りかかったのをいいことに私は呼び止めて質問した。先ほど取り出したガラス片を見せながら
「あのーすみません、これがサラダの中に入っていて、細かい破片はそのまま一緒に食べちゃったんですけど......これって、食べても大丈夫な奴ですか?特殊なガラスだったりして、やばかったりします?」


だから異物混入なんだってば、本来言うべきは苦情なんだってば、という頭は無かった。


が、しかし、店員はそうはいかない。聞くやいなや真っ青になり「も、申し訳ございません!すぐに代えをお持ちします!」って、別にもう食べちゃったしもういらないので「あ、いや、そういうわけじゃなくて......これが危なくない事だけわかれば良いんですけど.....」「こ、こちらは普通のガラスですので、大丈夫かと思いますっ!」と言い、そして速攻戻ってきてお金を返してくれた。

この時点で、やっと「......もしや、異物混入の苦情?」ということに気付いた(遅いって)。にしても、すごい勢いで謝られ、お金が返ってきたりして、店の中で偉い目立ってしまったのが恥ずかしいのだった。居辛くなった私はそそくさと店を出て「いやあ、ガラス食っちゃったんですよ」と数人にメールを打ったら「それ、訴えないと!」と、ものすごい勢いでメールが帰ってきた。「それって、もし子供がその状態だったら母親激怒ですよ!」.........そりゃそうだ。


そうじゃん。


まあ、店員さんの対応が悪くなかったので別段気にはしていないのだが、「どう考えてもおまえ馬鹿だろう」という行動しかしてない自分にものすごく情けなくなったのだった。


1)とりあえず異物だと気付け
2)異物は吐き出せ
3)ちゃんと苦情を言え
4)対価を請求せよ


...................ああ、まさにニワトリ並みの脳みそしかないんだろう、きっと(涙)。