続・気づいてしまう人

先日、「海苔10枚から売ります」の看板を見つけて 「1枚ってどれぐらいなんだ」と、悩んでいたことがあったのだが、 知り合いに海苔に詳しい人はいないようだったので、結局自分で調べてみた。


ところがである。
海苔は、きちんと規格が決まっており「1枚」と言ったらこの大きさ、と 海苔界の人はすぐわかるようになっているのだ。


海苔界の人にとっては、そんなの当たり前のことで、むしろ当たり前すぎて 1枚がどの大きさかなんて、説明をわざわざしてくれない。 これには参った。


「八つ切り80枚入りパックとは、1枚を8つに等分したものの80枚入りであり 結果全形10枚と同量である」 とかかかれても、そもそも1枚がどれぐらいなんだかわからないのだから かなりお手上げ状態である。


しかし、私は海苔界の荒波の中でしぶとく粘った。 そして、1枚とは、「19cm×21cm」である事を発見した。 あの、よく焼き海苔として売っている切られていない大き目の海苔。
あれが1枚。


ちなみに、その海苔10枚分を1帖と言うらしい。 よく海辺の町で海苔を板の上で干しているのを見かけるが、 あの大きさが恐らく1帖であろう。 で、それを10等分すると1枚。


以上、海苔界の常識である。


しかし、調べてみたら海苔界は深かった。 なんせ「海苔博士になれるかもしれないページ」なんてサイトがあるのである。 「博士」である。 今時「博士」がつくなど相当のことであろう。


「映画オタク」「格闘技マニア」「本の虫」「インターネット中毒」とは言えども、 「映画博士」「格闘技博士」「本博士」「インターネット博士」とは言わない。 でも、海苔は「博士」なのだ。 ああ、「博士」。


海苔にはきっと思いもよらない神秘なる世界が待ち受けているのだ。


と、思いきや、「海苔博士」サイトのトップコンテンツは 「千葉県海苔養殖者組合別人数」である。 いきなり千葉県に限定。 何故千葉。


いや、ここで戸惑っているようでは立派な海苔博士への道は開かれないかもしれない。 躊躇せず中に入っていくことにする。


と、ここで突然心に響く文章に出会ってしまう。 「約20年前から比べて、海苔養殖漁師は、4分の1に減りました。 この先どんどん減り続けます。後継者がほとんどいません。」 ああ、なんて悲しいんだ海苔。 そうだ、こんな時代にこそ博士だ。 段々わかってくる気がする。


そして今度は「海苔の秘密 海苔を世界の人々に.....」と言うサイト。 「世界にはばたく海苔」そうだ、だからこそ「博士」の称号もつこうと言うもの。 なんて壮大なんだ。 やっぱり海苔はこうでなくちゃ。



と、突然私は引っかかってしまう。
「ヘピョ岩海苔(全形)」



へぴょ。



ああ、海苔は奥深い。